認知症バリアフリー宣言

株式会社リビングコミュニティ

業種:
サービス業(他に分類されないもの)
本店又は主たる事務所の所在地:
〒158-0082 東京都世田谷区等々力5-4-15
宣言組織の代表者:
代表取締役 炭谷 久雄
電話番号:
0357060755
メールアドレス:
toi_mankan@living-community.jp

認知症バリアフリー宣言の内容

マンション居住者の高齢化は、5年ごとに国土交通省が実施する「マンション総合調査」によると、2018年度は世帯主のうち60代と70代以上で半数を占め、1999年度に比べれば約2倍になっている。70代以上は22%に上っており、マンション居住者の高齢化が加速度的に進行していることが見て取れる。

マンション管理の仕事は、居住者と長いお付き合いになる。マンションを担当する社員は代表者である理事長をはじめとして、多くの組合員と良好な関係を築き、仕事という関係を超えて良いお付き合いをさせていただくことも多い。

一人の社員の経験をご紹介したい。

ある社員が、以前に担当していたマンションへ5年ぶりに訪問した時のことである。一人のご高齢の方が家族に付き添われ、エントランスの数センチ程度の段差をようやくあがっていた。体は痩せ、一人で歩くことすら大変そうな様子である。よくよく見ると、相当変わってはいたが、その方は、社員が担当していた5年前の理事長であった。当時はスポーツマンで、よく水泳をされていたことが印象に残っていた。社員は、思わず手伝おうとして、声をかけた。当時の理事長は怪訝そうな表情を社員に向けた。社員を全く覚えていなかったのだ。
その社員は、忘れられていることにも衝撃を受けたが、自分が担当していた時に、建物のバリアフリー化や管理組合と地域が連携して見守る仕組みづくりなどをそのマンションに提案できなかったことにも悔しさを感じた。

認知症の方は、日常的な不便なことなどから、孤立を感じていたり、悲観的になっていることも多いのではないだろうか。認知症は、誰でもなりうるものである。だからこそ、認知症になっても希望をもって日常生活を過ごせる環境が重要となる。
すなわち、永住意識の最も高い年齢層である高齢者に住みやすい環境をご提供することは、マンション管理会社にとって社会的使命と言えるだろう。 

当社はリビングライフグループのマンション管理部門を担っている。グループ創業の精神「住まいからはじまる幸せの生涯設計を提案します」を管理会社の立場で実現するため、社員ひとり一人が認知症への理解を深め、管理組合や組合員とそのご家族、地域との連携を図りながら、認知症になっても出来る限り住み慣れたマンションで充実して暮らしていけること、その環境づくりに向けた取り組みを進めてまいりたい。

「人材の育成」についての具体的取組

社内教育

①社員全員・管理員・清掃員が認知症サポーター養成講座を受講します。
②企業マニュアル作成のためのグループを組織し、認知症に係る情報収集を行いながら、全社員へ展開する機会を設定します。

「地域連携」についての具体的取組

その他(下記のとおり)

①近所の交番や警察署へフロント(物件担当者)や業務責任者が挨拶に訪問します。
②地域のケアセンターや市区役所の担当部署からの情報提供を受けられるよう、関わりを深めます。
③行政が発行する認知症ケアパスを管理事務室に置き、顧客への相談時などに活用します。
④掲示板へ地域包括センター等の連絡先を掲示し、相談会の開催も検討します。
⑤マンションへ訪問してくる介護業者やデイサービス業者の情報を共有し、連携を図ります。

「社内制度」についての具体的取組

従業員が認知症になった場合に相談できる専門機関との連携 その他(下記のとおり)

①管理員(清掃員)が産業医による医療相談を受けられる機会を提供します。
②フロント(物件担当者)以外に業務責任者による定期訪問を実施し、一人にしない、不安にさせない気持ちを持たせます。
③認知症の兆候が見られたときなどに、家族や地域包括支援センターと情報を共有すべき体制を整えます。

「環境整備」についての具体的取組

その他(管理物件における掲示物、配布物への工夫)

認知症の方やご高齢の方の日常的な不便を解消するため、管理組合に対して改修工事の提案を心がけます。
掲示物への工夫、配付物を要望に応じてB4版へ拡大する等の工夫を行います。